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映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 孤独感が犯罪に走らせる契機となる

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 監督:スティーヴン・スピルバーグ 主演:レオナルド・ディカプリオ

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【あらすじ】

 天才的な詐欺師として話題になったフランク・W・アバグネイルの自伝的小説『世界を騙した男』を元に製作された映画。

 彼は両親の離婚をきっかけに未成年で家出をし一人で生きていくことを決めた。パイロット、医者、弁護士など身分を詐称し(司法試験には本当に合格している)、主に小切手詐欺で大儲けする。FBIは彼を逮捕するべく躍起になって捜査に乗り出すのであった。

 

【感想】

信じられないような詐欺の手腕を発揮

 スティーヴン・スピルバーグが手掛けた映画では一番好きなのがこの『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』。主人公フランクの詐欺や身分詐称の手法が鮮やかで、犯罪者なのに関心してしまう。彼は昔から天性の詐欺師としての才覚を持っていたようだ。作中では自分が生徒として通う学校において、一週間教師のフリをして授業を行うという信じがたいことをやってのけている。きっと俳優や営業マンになっても物凄い金額を稼げていたことだろう。

 

身分の詐称を繰り返すのは根底に孤独感があるから

 彼は早くから小切手詐欺で圧倒的な金額を稼いでいた。それにも関わらず彼は身分詐称や小切手詐欺を止めず危ない橋を渡り続けている。それは、孤独感や周囲の人間から認められたいという承認欲求から来ているのだと思う。作中では、ライバル的な立ち位置のトム・ハンクス演じるFBI捜査官、カール・ハンラティに、クリスマスの日に電話をしている。そのときカールは「お前が電話をしてきているのは話せる相手がいないからだ」と主人公フランクを揶揄する発言をして嘲笑している。フランクにとって図星の発言だったようで、怒りを滲ませながら電話を切っている。また、父親にも継続的に手紙を送っている。これらの行動から、彼の周囲には彼を認めてくれるような関係性の人が一人もおらず、孤独感から逃避するためにパイロットや医者等、皆が優秀だと認め憧れるような社会的地位の高い職業の詐称を繰り返しているのだと思う。その契機となったのが両親の離婚であり、彼の心に暗い影を落とし犯罪に手を染めさせる原因なのだろう。

 

孤独感を埋めてくれる人が見つかる

 最終的に彼は逮捕され、FBIにおいて今まで詐欺から得た知見を提供しながら働くという、FBI捜査官カール・ハンラティが提示した条件の元に釈放されることになる。そこからは真面目に働き再犯を起こしていないのだが、これもカール・ハンラティがフランクに寄り添うことで孤独感を埋めることができたからだろう。

 彼の孤独感や承認欲求が理解できる部分も大いにあり、色々と考えさせられるとても良い映画だった。